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【2016年3月号】トップインタビュー:ミヤタサイクル 高谷信一郎 社長
 

201603-02
 
ミヤタ車もスポーツモデル拡充、スポーツ車は全売上げの約3分の2
 
201603-03 ── 2015 年はメリダ車がかなり伸長したようだが。
 「一昨年は消費税増税後の需要の減少や急激な円安で非常に苦しい状況にあり、ミヤタの軽快車を中心に大きなダメージを受けた。その一方でスポーツ車は堅調で、これまでもメリダのスポーツ車は順調に伸びてきていたが、2015年は一気にテイクオフし、対前年比で台数ベースでは60%増、金額ベースでは2.3 倍となった」
 
 ──その大きな要因は。
 「当社ではスポーツバイク市場拡大の予兆はあったが、全体的に弱虫ペダル効果によりさらにロードバイクへの関心が高まったことに加え、レースでのランプレ・メリダチームの活躍によるメリダブランドの浸透がある。それにプラスしてロードでは当社がサポートする宇都宮ブリッツェン、シエルヴォ奈良、コラッジュ川西といった国内レーシングチーム、MTB では『MIYATAMERIDABIKING TEAM』の存在もあって、レース志向やレースに関心を持っているユーザーに対するアピールに繋がった。また、本格的なプロショップに対しては3年前から『MERIDABD(Business Develop)グループ』(営業専門部隊)を組んで集中して開拓してきたことも奏功した」
 
 ──本格プロショップなどでのメリダ車の取扱いが目立っているが。
 「取引先販売店は全体では以前と同じ2200 店舗ほどだが、メリダ車の取扱い店はこれまで取引きがないところが増え、現在800 店ほどに増えている。ただ、メリダ車販売はテリトリー制を敷き、インターナショナルモデル(カーボン車)を扱うMGD 店舗は半径5km以内には競合店を設けていない。今後は販売店数を増やすことよりも店舗でのメリダのウエイトを高めていく方針で、2016 年シーズンから新城幸也選手がランプレ・メリダ所属となったことから企画面などで協力してもらうため、今年はメリダ車がさらに伸びるとみている」
 
 ──ミヤタ車もスポーツモデルを拡充させているが。
 「フリーダムやカリフォルニアスカイなどの定着を図るとともに、『MIYATASPORT』からは中高年向けのランドナーとなるアイガーを投入した。長年のクロモリロードバイク造りのノウハウのすべてが詰まっている『MIYATASPORT』の人気は高く、オリジナルのS.S.T.B フレームはじめ低価格モデルも含め、すべてチューブはコロンバス製で、完全受注生産の『MIYATAJAPON(ミヤタジャポン)』は納車まで1年待ちになっている状況だ」
 
 ──ミヤタの軽快車については。
 「以前から話をしているが、自転車は2つの使用法があって1つは趣味として使用するもの。もう一つは実用車として使用するもの。趣味のものについてはユーザーは財布の紐を緩めがちだが、実用のものは価格面で敏感になってしまい、円安による値上げの影響は大きい。とはいうもののミヤタの取引販売店は軽快車がないと商売にならない。そのニーズに応えていく必要があり、これまで通り、高品質なものを適切な価格で提供していく」
 
 ── 2017 年3月期の売上高は。
 「全体で10%アップの35 億円を見込んでいる。新城効果を考慮すれば射程圏内にあると思う」